10歳から声楽を学び、14歳の時三重奏（ソプラノ）でNHK音楽コンクール入賞。上京後シンガーソングライターとして活動中に二胡と出会う。
自身のユニット「アカラ」では、圧倒的な存在感の歌と変幻自在の二胡、また“ツイン二胡と歌”という独自のスタイルが話題を呼び、4度の海外ツアーを成功させる。

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○二胡ってどんな楽器なのですか？

そうですね。マイナーな楽器なので、生で聴くのは初めての方が多いんじゃないかと思います。

二胡は、人の声に最も近い楽器、東洋のバイオリン、とも言われてるんですよ。
バイオリンよりも雑みがあるというか、より人に近いというか、湿度、体温があるような音。人が息を吐くような表現ができるのが、面白いなぁと思います。

歌で歌える曲なら何でもできるんです。動物の鳴き声も、鳥、狼、馬、豚、何でも。
あと、バイオリンと違って音程も取りにくいのですが、その曖昧さが東洋的ですごく魅力的だと思いますね。



○二胡を始めたきっかけは何だったのですか？

たまたま知り合いの車に乗っていたときに聴かせてもらった曲が、あるアーティストさんの二胡のCDで。

まるで女の人が泣いて歌っているみたいな音、泣き声みたいな音楽で、すごく感動して涙が止まらなくなったんです。
それで、これは何という楽器なの？と聞いたのがきっかけですね。

それまで歌はずっとやっていたのですが、二胡に興味をもって。
ネットで調べたらそのアーティストさんが教室もやっていたんです。これはやってみようと思ってその教室に通い出しました。

感動して泣いてくださる方がいたりすると嬉しいですよね。
あとは、耳が聴こえない方が〝よく聴こえました〟と言ってくださったり、認知症の方が演奏を聴いたあとに忘れずにずっと覚えていてくださったり。
そういうことがあると特に、二胡という楽器はきっと、体のずっと深いところまで届く楽器なのだと感じて嬉しくなりますね。



○その歌声にも、人の深いところにまで響く力がありますよね。

ありがとうございます！そう、私はもともと歌から始まった人間なので、何で二胡をやっているんだろうと言われることもあるのですが、近いところがあるのかも。

深くに届けたい、相手の深いところにまで伝えたい、という思いが私の根本にあるのだと思います。



○ワールドツアーにも成功されて、世界的にも活躍されていますね。

ご縁があって、上海で演奏する機会を三回ほどいただいたんです。
広州のANA開港10周年のイベントなどにも、中国と日本を繋ぐものを、というコンセプトから呼んでいただいて演奏しに行ったこともあります。本当にいい経験をさせていただきましたね。

言葉は越えられるんだと実感しました。楽器と自分の体があれば、全世界で表現はできる。
色々な国で音楽でできる自己表現をしていって、それを通して何かの役に立てる私でいたいと思っています。



○信念は何ですか？

体が動く限り、(表現を)続けていくことかなと思います。

私にとっての自己表現は、もともとは自分が救われるための、よくある「承認欲求」に突き動かされた結果でした。

それが二胡をやるようになって、老若男女、幅広い客層の前で演奏することが増えてくると、わたしが創出する「暗い世界観」を受け入れて(笑)、なおかつそういう曲に救われたとまで言ってくれる人も現れるようになりました。

年齢を重ねて、少しはバランスがとれるようになってきましたが、根本は変わらず、希望とか夢を直接のメッセージとして歌うことはありません。
でも、私の音楽に触れて、何か心に響いて感動したとか、もやもやしていたものが楽になったとか、そういう人が増えたらいいなと思うようになりました。

そんな人たちと出会っていくためにも、もっと色々な場所で私の歌を届けていきたいと思っています。



○ヒミコへの思いを教えてください。

ヒミコって、凄く神秘的な存在で、でも、女性で国を治めていて。興味のある方は多いと思うんですよね。

そこに唄と二胡で関わるというのは凄く楽しみです。
どんな風に作品の持つ世界観とお客様が期待するものに応えられるかと、わくわくと不安は両方あります。
全てを深く理解して、お客様にも深いものをお届けできるように挑んでいきたいですね。

私の役割として、凄く原始的な世界を表す、というのがあると思うんです。
森羅万象、そして人間の根源のようなものを唄や二胡を通して表現していけたら。頑張ります。



○最後にメッセージをお願いします！

今回熱血天使の皆さんとご一緒するのは初めてなのですが、一体どんな化学反応が生まれるのか、すごくすごく楽しみです。

いつも熱血天使をご覧いただいているみなさんにも、今までの熱血天使さんとは違う世界をお届けできるのではないかと思っています！